真下から見上げる五重塔
2021年に開催し、ご好評をいただいた世界遺産・興福寺(奈良市)の「早朝貸し切り拝観」第5弾と第6弾を2022年9月から10月にかけて開催しました。間もなく本格的な修理を迎える五重塔と、春と秋だけ特別開扉している北円堂を興福寺の僧侶たちにご案内いただきました。
第1弾~第4弾の報告記事はこちら。
本格修理を待つ奈良のランドマーク
第5弾は五重塔。9月26日(月)には興福寺執事の辻明俊さん、9月30日(金)には教学部副主任の南俊慶さんにご案内いただきました。
三重塔の前で説明する辻明俊さん
お二人は境内の三重塔前からご案内を始め、南円堂や中金堂の前などで日常の祈りなどについてお話を聞かせてくださいました。
中金堂前で
辻明俊さん
南俊慶さん
前回の本格修理からおよそ120年がたち、壁面や木材に傷みが目立ちはじめた五重塔。お二人ともそれらを隠すことなく「しっかりと見ておいてください」とおっしゃっていました。多くの人の理解を得て次世代に受け継いでいくのだという強い思いを感じました。
五重塔の傷み具合や修理の意義について説明する南俊慶さん
壁面の漆喰がはがれ落ちているところも。修理は喫緊の課題
第6弾は秋の特別開扉中だった北円堂を10月31日(月)、庶務部副主任の大森俊貫さんにご案内いただきました。
晴天に恵まれました
大森俊貫さん
抜けるような青空の下、南大門跡から南円堂、西金堂跡などを巡って北円堂へ。藤原不比等を供養するための建物であり、奈良時代には都が見下ろせる一等地だったことなどをご紹介くださいました。
北円堂の建つ場所は奈良時代の一等地だそう
堂内では、運慶が晩年に手がけた弥勒如来坐像や無著、世親菩薩立像などを拝観。興福寺の宗派である「法相宗(ほっそうしゅう)」の中心的な教えである「唯識(ゆいしき)」についてもご説明があり、「すべては自分の心が生み出す」という考え方を分かりやすくお話しくださいました。
運慶が手がけた仏像に会える北円堂
ご案内いただいた僧侶の皆さま、ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
興福寺の公式HPはこちら。
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