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執筆者の写真つなぐ寺 事務局

世界遺産・興福寺 早朝の貸し切り拝観第2弾を開催しました!

更新日:2022年10月15日


  ↑早朝の光の中、境内を案内してくださった南俊慶さん



7月に開催しご好評をいただいた世界遺産・興福寺(奈良市)の「早朝貸し切り拝観」第2弾を2021年9月27日(月)に開催しました。今回も定員いっぱいの方にご参加いただき、国宝・東金堂では普段入ることのできない空間をご案内いただきました。


前回の記事はこちら


この日のご案内役は南俊慶(みなみ・しゅんけい)さん。穏やかに、かつ情熱的にお寺の歴史や祈りの大切さをお話しくださいました。


午前7時45分に南円堂に集合し、まずは外からご本尊の不空羂索観音様に向かって手を合わせます。そこで南さんが「それでは、振り返って二拍手してください」。これは、南円堂から振り返った方向にある春日大社の神様に向かってのごあいさつ。「かつて神仏習合の時代、興福寺と春日大社は一体で、不空羂索観音様は春日さんのご本殿第一殿にまつられる神様と同一視されていました」。南さんも毎朝の参拝で同じようにしているといい、奈良では今も神仏習合が息づいていることを感じさせます。


 南円堂は年に1回、10月17日に特別に開扉され、不空羂索観音様をお参りすることができます。


↑南さんは歴史だけでなく、積み重ねられてきた人々の思いについても語ってくださいました



 その後、五重塔の前へ。五重塔は2021年10月9日から11月23日まで特別公開されます。南さんは「ぜひとも来ていただきたい」と何度も力説。なぜなら「もうすぐ本格的な修理に入り、全体が覆われてしまいます」。期間ははっきりとは決まっていないものの、10年くらいは見られなくなるとのこと。この姿を目に焼き付ける貴重な機会となりそうです。


↑間もなく本格的な修理が始まる五重塔。10月から特別公開が始まります



 室町時代に建立された五重塔が今に伝わっているのは、明治時代に避雷針が取り付けられるまでの数百年の間、雷によって焼失せずに済んだからでもあります。「実は、そのための工夫がここにあります」。南さんは、塔の各層の中央にある扉の上に、「雷よけのお札」があることを教えてくれました。東西南北すべての面にあるそうです。「普通ではなかなか気づかないと思いますが、塔を守ろうとした人々の思いを知っていただけたらうれしい」と南さんは語ります。


↑国宝・東金堂


 いよいよ東金堂へ。南さんが今回、東金堂を案内しようと思ったのには理由があるそうです。「ここは聖武天皇が元正上皇の病気平癒を願って建てました。いま、新型コロナウイルスで大変な状況にある中で、ここにお参りしていただくことに意味があると思いました」。堂内に入って南さんが般若心経を唱え、参加者の皆様もともに心静かに祈りを捧げました。


↑南さんが読経し、堂内は厳かな空気に包まれました


 その後、普段は公開されていないお堂の後ろの空間「後堂(ごどう)」を特別に拝観。お堂が火災に遭ったときに「自ら躍り出た」という伝説のある「正了知(しょうりょうち)大将像」にお参りし、十二神将像や四天王像の後ろ姿を間近に拝見しました。


午前9時に解散。好天にも恵まれ、参加者の皆様には充実した時間を過ごしていただけたのではないかと思います。


南さん、そしてご参加くださった皆様、ありがとうございました!

第3弾も検討中です。ご期待ください!

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